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競馬交差点2007年10月26日

今週のテーマ
1.烙印は消えるか
2.天皇賞


1.のっけから、アメリカの野球メジャーの話だが、レッドソックス
 とロッキーズで、ワールドシリーズが行われることになった。
 いずれも日本人選手が所属するチームで、日本でも大いに盛り
 上がりそうである。

 レッドソックスにはバンビーノの呪いというものが、かつてあり、
 要するに、ベーブルースの移籍がらみで、それ以後、ワールドシリー
 ズでレッドソックスが勝てなかったというものだが、その呪いも
 2004年にとけたようだ。

 今年のダービーは、牝馬ウオッカの優勝によって、"3歳牡馬は弱い"
 の烙印が押されたまま。ダービーと無縁の第3の馬が菊花賞に勝って、
 その烙印が消え去ることを望んだが、結果は、ダービー2着のアサク
 サキングスが優勝して、烙印は消えなかった。

 3歳牡馬はウオッカに勝てない。そのウオッカは秋華賞で3着。
 3歳牡馬より強い3歳牝馬はまだまだいる。いまのところ、いささ
 か強引とはいえ、この論法がまかり通ってしまう状態にある。

 あとは、3歳牡馬が、個々に3歳牝馬を撃破するしか、ダービーの
 烙印を消し去ることはできないのだろう。というより、早く消して
 欲しい。

2.秋のGTシリーズも山場を迎える。今週は、秋の天皇賞だ。
 今年の秋のGTは、昨年までと違い、どのレースもなかなかの豪華
 メンバーである。そして、この天皇賞にも、古馬の中でトップを争う
 馬たちが集結した。
 下馬評では、アドマイヤムーンとメイショウサムソンの2強対決とも
 いわれる。
 いわれてみれば、そのようにも思えるが、果たしてそうなのだろうか。
 東京の芝2000mは奇妙な距離である。
 過去10年の天皇賞(秋)の活躍馬を見ると、マイラーからステイヤー
 まで、「品揃えが豊富ですね」といいたくなるほどさまざま。距離から
 いえば、明らかに、中距離スピード馬のためのレースのはずなのだが、
 「本当にそうなのですか?」といいたくなってくる。
 
 マイラーであれ、ステイヤーであれ、トップクラスともなると、
 芝2000mで2分を切ることなどは簡単で、毎年、天皇賞(秋)の
 決勝タイムが、そのぐらいのところなので、さまざまタイプが活躍して
 くるのだろう。
 「展開が鍵」という声もあるだろうが、スローであれ、ハイであれ、
 ペースに関係なく、決勝タイムは2分を切ったあたり。
 別に、打ち合わせをしているわけではなく、そういう決勝タイムに
 なってしまうのだろう。
 では、どうして、活躍馬にバリエーションがでてくるのか。
 ここは、想像でしかないが、馬場状態だと考えている。
 天皇賞(秋)の当日の馬場状態が、ライトなのか、ヘビーなのか。
 その馬場状態にフィットした馬が活躍していると想像するわけである。
 ライトなら、高速決着に強い馬。ヘビーなら、スタミナのある馬。
 それぞれに勝機がでてくる。
 さまざまなタイプの超一流馬が結集するレースだけに、馬場状態に
 フィットした馬を見つけるのはむずかしい。
 過去、「いま最も強い」と思われる馬が優勝したことは存外に少なく、
 その原因は、以上のようなところにあるのだと、想像するわけである。
 そういう点から、盲点になりそうな2頭について、とりあげたい。
 馬場状態がきわめて良好なら、チョウサンの優勝があるだろう。
 毎日王冠でのチョウサンの勝ち時計は、あのサイレンススズカのもの
 をコンマ7秒も凌ぎ、単に"フロック"と片づけることはできない。
 2006年から現在まで4勝しているが、うち3勝は芝2000mで、
 「今回の距離もまず問題ない」という判断につながるが、それより、
 ひとクラス上がるのに結構な時間を使い、特筆すべき持ち時計もなく、
 「それがなんで、毎日王冠で、あの時計」という驚きのほうが大きい。
 実績で芝2000mは大丈夫ということもあるが、それがなくても、
 高速決着なら、再び衆目を驚かすことがありうる。
 馬場状態が、ややヘビーなら、ポップロックが台頭する可能性がある。
 長距離専門のイメージが定着しているが、今年になってスピード・
 アップしており、前走の京都大賞典の時計からも、芝2000mで
 2分を切る能力があるのは確認できる。
 それでもなお実績からすれば、やや不安は残るが、「あるいは…」
 と思うのは、鞍上がペリエ騎手だからでる。
 欧州のトップクラスのジョッキーはやはり凄い。
 日本のジョッキーに比べて、勝利に対してはどん欲である。
 世界でもまれると、おのずとそうした意識になるのかもしれない。
 それはさておき、ペリエ騎手が騎乗するだけで、馬の能力が1.2倍、
 それはいやいささか大袈裟か。正味1.05倍ぐらいにはなる。
 もちろん、高速決着になれば、ポップロック優勝の可能性は低くなる
 だろうが、ひと雨降って、馬場状態が悪化すれば、脇役から主役に躍
 り出るはず。
 アドマイヤムーンとメイショウサムソンが2強という下馬評だが、
 これだけのメンバーがそろっているのである。
 馬場状態によっては、主役になる馬が変わっても不思議ではあるまい。




(トータライザー公式サイト … 文 柏木次郎)




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