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競馬交差点2007年11月9日

今週のテーマ
1.春のセオリー
2.エリザベス女王杯



1.夏競馬になって、有力どころが休養に入り、簡単にいえば"メンバー
 が手薄"になったことで、春競馬で効いていたセオリーが、夏競馬では
 効かなくなった。それが秋競馬になって、休養から復帰した馬が増え、
 春競馬のセオリーが"復調"した。
 トータライザーの総合評価◎は、メンバーの中で、最も成績がいいと
 思われる馬だ。アルゼンチン共和国杯では、1着になったアドマイヤ
 ジュピタが◎(単勝予測オッズ4.0倍)で、ちなみに2着は○トウ
 カイトリック。
 「◎○(本命対抗)で決まっておおいに結構じゃないか」という話で
 はあるが、基本的にそういう想像はしていない。◎○▲から1頭、
 △56789から1頭というのが、最も多い組み合わせで、この組み
 合わせにそって、馬連なり、馬単を考えたほうが、儲けようと思うな
 ら、完全に有利である。
 「トータライザーの数値とは、そういうヘンなものなのか?」という
 疑問もわくだろうが、人気に置き換えてみるとよくわかる。
 単勝でいうと1番と2番、1番と3番、2番と3番という組み合わせ
 より、それ以外のほうが圧倒的に多いのだ。人気(3番人気)とやや
 人気薄という組み合わせが多いことは、少し長く競馬をやっていれば、
 簡単にわかることである。
 総合評価の◎○▲は必ずしも人気とは一致しない。さまざまな思惑が
 はたらいて人気が形成されるからである。成績一本の総合評価とは異
 なって当然である。

 ところで、人気と違うというのだから、たとえば◎○でも、これが人気
 上位3頭というのでなければ、逆にその組み合わせの可能性がでてくる
 という逆説的な見方もできよう。アルゼンチン共和国杯は、総合評価と
 人気が一致していなかったために、総合評価の◎○で決まったともいえる。
 昔から「◎○▲の組み合わせで高配当は買い」といわれてきたが、人気
 との対比という点からいえば、確かにアリなのである。
 本題からそれてしまったが、"復調"したセオリーの話である。
 総合評価◎で単勝予測オッズ3.4倍以下は"危険"であるというもの。
 総合評価と単勝予測オッズはリンクしているから、◎なら単勝予測オッズ
 は一番低い。しかし、その低さが問題なのだ。
 「低ければ、それだけ優位にあるのだから安心」とは、ごくふつうの考え
 方だが、単勝予測オッズが低くなるのは、それだけ好走がつづいた証であ
 り、"好走がつづいた馬は、やがて疲労して走らなくなる"という生理的原
 則から、期待どおり(?)に走らなくなるわけである。
 その目安が"3.4倍"にあるわけだが、その信頼度は、さらに"好走が本当
 につづいているのか?"という点から求めることができ、つまり過去3戦程
 度の成績を見ればわかることになる。◎で単勝予測オッズ3.3倍でも、
 3走前から7着、7着、2着というのなら、さすがに誰も「好走がつづい
 ている」とはいうまい。
 こういうケースは、それこそ「メンバーの中で力がやや抜けている」という
 判断につながる。
 このセオリーを活用するときには、生理的原則を抜きにして考えることは
 できない。

2.今週はエリザベス女王杯である。
 今度もまたウオッカが1番人気になるのだろう。秋華賞では危ない1番人
 気と見て、だからこそレース予想が当たったわけだが、今度は"危ない"と
 はいえない。
 京都の芝2200mは、パワー・ヒッターに有利な距離である。東京の芝
 2400mで行われるダービーの勝ち馬にとっては、まさにチャンス到来。
 ここで、ウオッカが勝てば、「ウオッカ復活」などとなるのだろうが、い
 まもっている能力を発揮できる場を得たにすぎないと考えるべきところだ
 ろう。
 2番人気はダイワスカーレットだろう。そして、問題はこの馬にある。
 パワーのある馬に有利な距離とすれば、ダイワスカーレットに、その証を
 認めることはできない。芝2000mの秋華賞を勝ったが、京都の芝20
 00mはスピード馬にとって有利で、パワーはさほど必要ない。
 過去10年を見ても、秋華賞の優勝馬が、その年に、エリザベス女王杯を
 制したのは、1度しかないのだ。
 ただ、"証がない"からといって、"パワーがない"と言い切れないのが弱み
 で、ダイワスカーレットに関しては、ブラックボックスの中にあるような
 もの。
 「じゃあ、ウオッカで決まりだな」といいたいだろうが、3歳牝馬が4歳
 以上の牝馬より強いという証もまたない。ウオッカは、牡馬相手だったと
 はいえ宝塚記念で惨敗。ダイワスカーレットは4歳以上と戦ったことすら
 ない。
 この秋のGTのレース予想で4戦3勝だが、これを5戦4勝にできるかど
 うかは、ここのところの判断がカギになりそうである。



(トータライザー公式サイト … 文 柏木次郎)




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