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競馬交差点2008年1月25日



今週のテーマ
1.アメリカJCC
2.シリーズ"数値予測"第9回


1.今週はアメリカJCCである。
 最近は新興勢力の台頭が目に付くレースで、その背景には、古馬トップク
 ラスの参戦がすくなくなってきたからであろう。
 1998年の優勝馬はメジロブライト、1999年の優勝馬はスペシャル
 ウィーク、2000年2着はステイゴールドと、重量級が活躍していたの
 だが、その後は、重量級の参加が途絶えて、2006年1着のシルクフェ
 イマスが。ポツンと登場してくる程度。そんなこともあって、1番人気の
 "裏切り"が近年は目に付く。
 今年はというと、久々に重量級の参加が予定されている。ドリームパスポ
 ートである。
 昨年の阪神大賞典ののち、8ヶ月に及ぶ故障休養から復帰してきたのは、
 作年末の有馬記念のこと。故障休養明けにもかかわらず、あのメンバーで
 7番人気に推されたのも、ディープインパクトにきわどく迫り、メイショ
 ウサムソンと互角以上の戦いをしてきた実績を、多くのファンが忘れては
 いなかったからだろう。
 その昨年末の有馬記念では、4コーナーで大きな不利を受け、6着に終わ
 ってしまったが、「優勝は無理としても、あの不利がなければ…」と大い
 に想像させてしまうほど、最後の追い上げは結構すごかった。
 「実績だけでは何ともいいがたい」のが競馬とはいえ、メンバーを見渡し
 てみても、「ここで負けるような馬ではないのでは…」と思うファンは多
 いはずだ。

2.着順の数値化についての解説をつづけたい。
 トータライザーには"確率"という数値がある。確率は、ギャンブルにはつ
 きもので、競馬ファンも大好きである。ただ、その確率は、きわめて単純
 なもので、たとえば、5回に3回当たったら、「オレは6割の確度で、馬
 券を当てられる」と豪語する。つまり、割り算なのである。
 もちろん、間違っているわけではないが、これは"結果に対する評価"にす
 ぎず、"将来に向かっての評価"ではない。現に、今日は5戦3勝でも、明
 日の5戦0勝はよくあることで、というより当たり前のことで、なら年間
 通算で6割当てられたかと人に聞かれれば、「それは個人情報だ」と不機
 嫌にならざるを得ない。「あの日、5戦3勝を誇ったオレが、年間を通じ
 て、当たりが1割にも満たないのは、やはり、馬が走っているから…?」
 と、妙な結論もでてくる。
 いまの問題は、「少ない統計の結果では、正しい答えが得られにくい」と
 いう統計の常識に関するものでもある。したがって、多くの結果をもとに
 すれば、より正しい答えを導き出せることになる。
 もちろん、これは競馬でも変わることがない。のではあるが、競馬では、
 "多くの結果"を得ることがきわめて難しい。十分でないとはいえ、少なく
 とも100例ぐらいは欲しいところだが、たとえば100戦してきた馬な
 ど、滅多にお目にかかれない。多くて半分の50戦といったところだろうか。
 それどころか、2歳馬や3歳馬などは、10戦以下がほとんどで、これで
 統計を活用しようというのが、無謀なことなのである。これは古典的統計
 論の見解である。
 しかし、世の中の事象は、古典的統計論の要求どおりにはいかない。少な
 いサンプルで、予測せざるを得ないことも多い。競馬などもまさにその1
 つであることは間違いない。そこで、時代の要請によって、少数サンプル
 による予測と称するものが登場してきた。これを競馬に活用したのがトー
 タライザーなのである。
 個々の馬の確率について考えてみよう。
 デビュー戦をイメージしていただきたい。新馬戦の頭数はまちまちだが、
 仮に16頭とする。デビュー戦なのだから、いずれも0勝である。この馬
 たちが勝つ可能性はいくらか。いうまでもなく、1頭につき、1/16で
 ある。
 デビュー戦で勝利をあげれば1戦1勝。よく使われる勝率は100%であ
 る。しかし、2勝目のレース、500万下かオープンか、そこで勝つ可能
 性は、やはり1/頭数であり、仮に16頭なら1/16でしかない。した
 がって、よくいう勝率とは、単にその馬の"勝ち星の割合"であって、未来
 に向かっての勝率とは無関係なのである。
 では、未来に向かっての勝率を計算するにはどうしたらよいか。レースご
 とに頭数はまちまちだから、そのレースにおける1頭ごとの勝率は、つね
 に1/頭数ということになるが、見方を変えれば、1戦ごとに1/頭数の
 "洗礼"を受けるということは、決して見逃すことはできないわけである。
 つまり、1戦1勝も、2戦2勝も、勝ち星の割合は、いずれも100%だ
 が、2戦2勝のほうが、1戦1勝よりも、試練を受けてきた分、強いはず
 である。
 「いや、競馬はそうは簡単にいかないのよ…」とは現実だが、そう思う一
 方で、1戦1勝よりは2戦2勝、それよりは3戦3勝ということを、経験
 則というかたちで、われわれは頭の中に描いていることも否定できない。
 長い人生経験の中で、何となく了解している事柄というものがあるのである。
 もちろん実際に、1戦1勝の馬の次走の活躍度、2戦2勝の次走の活躍度、
 3戦3勝の次走の活躍度を、多数調べて、活躍した馬の頭数/調査した頭
 数で割ってみれば、あきらかに3戦3勝が1番上位になるはずである。
 そこで、「では、どのぐらい強いのか?」それを数量的に知りたいのがわ
 れわれである。それは、統計論の助けを借りながら計算すればわかる。
 これも"結果"ではあるが、多数観察により期待される結果であって、恐ろ
 しいことに、その予定される値に結局は集約される。トータライザーでは、
 単に確率とはいわず"期待確率"と表現するが、いま述べたような思考回路
 によって言葉は生まれてきたわけである。





 (トータライザー社の唯一の公式サイト/ホームページです。
  トータライザー社では、これ以外にウェーブ・サイトは運営しており
  ません。このホームページの文章は、柏木次郎が担当しております。
  なお、"セオリー・ホルダー"、"レース予想"という名称がときどき文
  中にでてきますが、これはメール版"ニュー・トータ"のコラムです。
  駅売りのトータライザー紙には掲載しておりません)



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