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競馬交差点2008年2月1日



今週のテーマ
1.根岸ステークス
2.シリーズ"数値予測"第10回


1.今週から東京開幕である。GTシーズンでないと、土曜日には重賞がな
 いもの。それが、この時期だというのに、今週は土曜日の東京で重賞が行
 われる。そういうことはあるが、通例どおり東京の日曜日のメインを考え
 てみたい。
 根岸ステークスである。
 この東京の最終週に、ダートGTフェブラリーステークスが行われる。
 同じ東京、同じダートということから、根岸ステークスは、フェブラリー
 ステークスの前哨戦にあたるはずである。
 ところが、前哨戦として機能したのは、2001年と2005年だけで、
 ほかの年は「フェブラリーステークス。そんなの関係ない」という結果に
 なっている。別定戦のGVなので、賞金をたっぷりと稼いできた馬は、重
 い斤量になるから、ここへの出走を見合わせるのだろう。
 天皇賞など、春の芝GTはまだまだ先のことで、日経新春杯やアメリカJ
 CCのようなGUは、"伝統"以外に存在意義はない。「この2つのGUを、
 ダート戦にすれば、フェブラリーステークスを頂点とするダートGTの体系
 ができあがるのに…」と思うのだが、さて…。
 いささか余談になったが、フェブラリーステークスを狙っているというより、
 この根岸ステークスを狙っていると思われる馬の好走のほうが多いのである。
 根岸ステークスが、フェブラリーステークスの前哨戦とすれば、ワイルドワ
 ンダーあたりがアッサリと勝ってよさそうなものだが、根岸ステークス狙い
 なら、先週のアメリカJCCや平安ステークスのように、高齢馬が激走する
 可能性も十分。
 8歳メイショウバトラーには武豊騎手、9歳リミットレスビッドには蛯名騎
 手が騎乗する。個人的には騎手について無頓着だが、この高齢馬に、これだ
 けのジョッキーが騎乗してくるというのは、何となく不気味ではある。
 2通りの予想というわけであるが、「強い馬が勝つのが競馬」というなら、
 本来は不思議な話。やはり、ダートの競走大系を整備する必要がありそうだ。 

2.期待確率の解説のつづきである。
 1戦1勝も、2戦2勝も、3戦3勝も、競馬の世界でいう勝率でも、連対率
 でもいいのだが、どれも100%である。この100%という数字に疑義を
 はさむ余地はまったくない。まったくないが、「数字は同じでも、中身は同
 じではない」とは思うものである。
 確かに3戦3勝の馬が、1戦1勝の馬に"負けない"保証はどこにもない。
 あるかもしれない。そういったときに考えるのは、「それはどのぐらいの確
 率で…?」ということだろう。しかし、これは「そんなのわかるはずもない」
 ことで、1戦1勝の馬と3戦3勝の馬とを比較して、その可能性を探ること
 など、不可能とはいわないが、きわめて面倒なことであり、不可能に近いと
 いうほうが妥当だろう。
 個々のケースを、詳細に検討することは面倒なだけではなく、仮に3戦3勝
 が70%、1戦1勝が30%とでたところで、「では、今回はどちらが勝つ
 の?」といわれれば、「だから、70%と30%」としかいいようがない。
 1戦1勝が勝てば、「70%の確率で君は3戦3勝が勝つといった。だから
 賭けた。それで大損だ」といわれるはめになるが、答えは簡単である。
 「だから、1戦1勝も30%は勝つ可能性があるといっただろう」と。
 結局、コンニャク問答みたいなもので、まあ、簡単にいえば、無意味なので
 ある。
 できることを考えよう。まずは、馬の個性を"ない"ものとする。「ディープ
 インパクトとその他では、1戦1勝の価値が違う」とはいわないのだ。
 1戦1勝は、1戦1勝。何の誰兵衛と個性を付与しないのである。
 そうすれば、あとは単純な計算である。1戦1勝なら5%、2戦2勝なら
 22%、3戦3勝なら37%という数字がでてくる。なぜ、こういう数字に
 なるかは、統計学の問題なので、何ヶ月か、あるいは何年になるか、それは
 わからないが、統計学をじっくりと勉強していただきたい。
 さらに正確にいうなら、可能性というのは、本来は1つの数値であらわさな
 い。1戦1勝は5%以上95%以下、2戦2勝は22%以上78%以下、
 3戦3勝は37%以上63%以下というのが正式なのである。
 なぜ、3戦3勝のほうが、高い方の確率が下がるかというと、キャリアが増
 えるほど、予測の精度があがるからである。統計の基本である。サンプルは
 多ければ多いほどよい。これが古典的統計学の教えなのだ。
 このように正確にいうと「わけがわからない」といいたくなるはずである。
 「なんで1戦1勝のほうが、上の数値は高いのだ」とは、誰もが考える。実
 は、ここも大事なところなのだが、われわれとしては、わかりやすいほうが
 いい。わかりやすいのは、下の数値の比較である。1戦1勝より、2戦2勝、
 さらに3戦3勝という具合に、数値が飛躍的に上昇していく様を見れば、
 「そんなもんだ」と何となく納得できる。そして、それで何の不都合もない。
 たとえば、天気予報で「本日の降水確率10%」というと、「まあ、傘はな
 くても、何とかなるさ」となる。どういうことで、そう考えるかといえば、
 10%という数値によって判断している。
 ところで、降水確率というのは、その予測している地方の10%の地区で
 "雨が降る"可能性があるという意味だそうで、別に、新聞を見た人の頭上か
 ら、雨が降ってくる可能性ではないのだそうである。
 そんな正確な話はどうあれ、「傘はいらない」と考え、そして実際に傘に
 ご用がなければ問題はないわけである。「今日は、府中にある自宅を7時
 にでて、8時過ぎに大手町にある会社に出社。そのあと10時に蒲田、
 13時に上野、15時に新宿のそれぞれ取引先にいくことになっています
 が、どこで傘が必要ですか?」と予報官に尋ねても、「そんなことまでわ
 かるなら、いま私は予報官など、やっとらんよ」といわれるのだけであろう。






 (トータライザー社の唯一の公式サイト/ホームページです。
  トータライザー社では、これ以外にウェーブ・サイトは運営しており
  ません。このホームページの文章は、柏木次郎が担当しております。
  なお、"セオリー・ホルダー"、"レース予想"という名称がときどき文
  中にでてきますが、これはメール版"ニュー・トータ"のコラムです。
  駅売りのトータライザー紙には掲載しておりません)



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