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競馬交差点2007年11月30日

今週のテーマ
1.シリーズ"数値予測"第3回
2.ジャパンカップ



1.数値解説の第3回目である。
 個々の数値を説明する前に、終着点である"総合評価"についての実態と
 課題を述べている。単なる平坦な説明だと、「ああ、そうですか…」で
 終わってしまうものだが、問題を提起されると、誰でも考え始めるもの
 である。
 前回は、総合評価の2つの課題について触れたが、そのつつきである。
 総合評価の3つめの課題は、競走能力に関することである。
 言葉とは便利なもので、競走能力といえば、何となく納得してしまうが、
 具体的に考えてみると、その内容の多様性から「そう簡単ではないな…」
 と気づく。
 競馬では速い馬が勝つといわれている。これは"おおむね"正しいが、た
 くさんの例を眺めれば、"だいたい速い部類の馬が勝っている"というこ
 とに過ぎない。今回、買おうとするレースで、「この馬の持ち時計は一
 番速い」と思って、その馬から買っても、当たりにつながらないのは、
 全体の傾向が、こと"今回"に通用しないだけのことなのである。そこか
 ら「タイムは役に立つとはいえない」という話がでてくる。
 タイムが役に立つかどうかの議論はさておき、スピードは間違いなく競
 走能力の1つである。「速いほうが、そりゃ有利だろう」は、この世に
 おいては確かなことなのである。
 ただ、スピードといっても、競馬にはさまざまな局面がある。走破時計
 は、レース全体での平均的スピードを把握できるが、競馬は単調に走っ
 ているわけではなく、スタート後とフィニッシュのときが最速に近づく。
 最初、だらだら走っていても、最後にビシッと決めれば勝者になること
 もある。スローな競馬といわれるのは、そういうことになりがちだ。
 レース展開次第で、結論が違ってくるという話につながる。
 こういう情景から想像できるのは、平均的なスピードである走破時計だ
 けが、スピードというのではなく、ダッシュ力、末脚というものも実は
 スピードだということだろう。逃げ馬とはいうが、ダッシュ力のない馬
 は、逃げようにも逃げられない。末脚といえば、上がり3ハロンスピー
 ドのことをだいたい意味するのであるが、これもスピードの一種なので
 ある。
 ダッシュ力も、末脚も、全部まとめたのが走破時計と思いたくなるのだ
 が、これらの中に、必ずしも相関関係があるとはいえない。それを知っ
 ているファンの中には、ダッシュ力はあるが、走破時計は全体に遅い馬
 を狙っている人もいる。
 走破時計が遅いと、人気にはなりにくい。そんな馬でもマイペースに持
 ち込んでしまうと、まんまと逃げ切るのだ。逃げ切ってくれれば、自動
 的に高い単勝配当が得られる。「そんなに上手くいくか!」と思うもの
 だが、現役でいるということは、そういうシーンを過去に何度か再現し
 ているのである。前回は、勝てない馬を名馬と呼ぶ人はいないという話
 をしたが、勝てない馬に対しては、もっと非情な現実が待ちかまえてお
 り、現役抹消の処分になる。逆にいえば、いま中央のターフで走ってい
 るということが、程度の差はあれ、活躍している証なのである。
 スピードにもいくつか種類があるのはいま述べたとおりだが、競走能力
 を分解してみると、さまざまな断面が見えてくることがわかる。次回に
 譲る。

2.今週のメインは阪神ジュベナイルフィリーズである。2歳牝馬の女王
 決定戦である。
 「2歳戦はよくわからない」もので、一般には、人気とか機種とか、そ
 んなことを頼りに買うことになるのだろう。
 今回、一番人気を集めそうなのは、オディールである。阪神ジュベナイ
 ルフィリーズは、芝1600mだが、オディールは芝1400mまでし
 か走ったことはない。距離特性とか、スピードなどは、選別の根拠には
 なり得ないわけだ。人気になる理由は恐らく、GVファンタジーステー
 クスを勝ったからだろう。一応、前哨戦なのである。しかし、寂しい話
 だが、ファンタジーステークスの勝ち馬が、過去10年において阪神ジ
 ュベナイルフィリーズを制したのは、2002年のピースオブワールド
 の例だけ。ちなみに昨年2着のアストンマーチャンもファンタジーステ
 ークスの勝ち馬だったが、こういう例もこれ1回コッキリである。
 だから、オディールが勝てないというわけではない。言いたいのは、別
 の尺度をもって、勝ち馬探しをするしかないということなのだ。
 2歳から3歳にかけての有効な尺度とは"着順"である。0勝、それもデ
 ビュー戦から勝ち抜きが始まる。最もわかりやすい姿で、JRAの勝ち
 抜き制度を見ることができるともいえる。古馬のレースは、もうグチャ
 グチャになっているから、よくわからない。
 目の前でトーナメントが行われている格好、もっとも若干の敗者復活を
 認めつつということだが、そうならば、モタモタしている馬がウイナー
 になることはなかなかないだろう。若干の敗者復活を認めつつ、そのモ
 タモタに当たらないのが、連勝期待確率A、A−(AV)、B+(太字
 のBV)の馬たちである。数値解説で、連勝期待確率の解説は始まって
 いないが、ご存知の読者も少なくあるまい。この類の馬が、阪神ジュベ
 ナイルフィリーズの勝者になってくれれば、着順も競走能力の一面をあ
 らわすことを、示すことができるのだが、さてどうだろうか。もちろん、
 可能性は高いと見ている。



 (トータライザー社の唯一の公式サイト/ホームページです。
  トータライザー社では、これ以外にウェーブ・サイトは運営しており
  ません。このホームページの文章は、柏木次郎が担当しております。
  なお、"セオリー・ホルダー"、"レース予想"という名称がときどき文
  中にでてきますが、これはメール版"ニュー・トータ"のコラムです。
  駅売りのトータライザー紙には掲載しておりません)



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