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競馬交差点2007年11月16日

今週のテーマ
1.シリーズ"数値予測"第1回
2.エリザベス女王杯



1.競馬交差点を始めてから5年以上になる。この間、さまざまなことを
 述べてきたが、数値について、詳しく述べたことはあまりなかったよう
 に思う。数値についての理解がなされているという前提で述べてきたか
 らだ。しかし、ここであらためて、"数値予測とはどういうものか"を柱
 に、個々の数値について述べてみたいと思い立ったわけである。
 今回からシリーズ"数値予測"を始めることにした。今回は第1回である。

 いまでは"数値予測"に対して違和感を憶える人は少ないだろう。
 コンピューターの普及、そしてそのコンピューターで処理するためには、
 すべてデジタル化しなければならない。トータライザーが登場したころ
 には、「コンピューターに馬草の臭いがわかるか」などといった評論家
 もいたが、いうまでもなくトンチンカンなことを声高に唱えたに過ぎな
 いのは、いまなら明らかである。
 そんなことを言い放った評論家に限らず、予想する人すべて、いやすべ
 てのファンが実績を見て評価する。実績とは、すなわち成績で、これを
 見ないで予想する人はほとんどいないだろう。
 もちろん大小の差はあるが…。
 成績を見て評価するわけだが、見るのは誰でも簡単だが、評価がむずか
 しい。評価次第では、「この馬が一番だろう…」も、人によっててんで
 バラバラになってしまう。当たるのなら、どんな評価方法でもいいのだ
 が、40年前にトータライザーが着目したのは統計学である。
 統計学が本当にいいのかどうか。それはわからないことだが、原因関係
 が不明確なものに関しては、統計を用いるのが世の習わしともいえる。
 一般論になるが、結果を基に、逆に、原因関係を探ることも少なくなく、
 1つや2つではそれほど深刻にはならないが、10も20も、同じよう
 なことがあれば「これは何か原因があるぞ…」とくるものだ。
 統計学は、単にサンプルを集めて、その数がどうのこうのというだけで
 なく、いろいろな処理方法、数式を用意している。"学"というのだから、
 それを専門に研究している人がたくさんおり、さまざまな現象をタネに
 ああでもないこうでもないと、必死にやっているのである。
 要は、それを活用させていただいて、競走馬の成績を数値にしたのであ
 る。これが、トータライザーの数値ということになる。それが正しいか
 どうかは、つまり当たるかどうかだが、過去の成績と今回の競走結果に
 は、"スバリ関連性がある"とはいないが、"おおむね関連性がある"こと
 は多くのファンが認めていることであり、だから成績を見るわけだが、
 だとすれば、それを世の中で頻繁に使っている統計の手法で処理すれば、
 悪い結果がでるわけはない。
 統計に基づく数値と、結果における一致。これが必ずしも成功しないの
 は、数値に問題があるからではない。
 たとえば、「明日、東北地方南部は雨でしょう」という予報があったと
 する。そこで「この夏は雨が少なく、オラが田圃にまとまった雨が降ら
 ないと、もうお終いだ」という農家のオヤジさんに言わせれば、「そん
 な東北地方南部なんて曖昧なことでは予報にならん。オラが田圃に降る
 かどうか」と詰問したくなる。予報官にいわせれば「オラが田圃といわ
 れても…。さて…?」と答えるしかあるまい。
 競馬ファンにとっては、この「オラが田圃」がつねのことなのである。
 いま自分の買った馬券が当たるか。それはオラが田圃にだけの雨を待っ
 ているに等しい。しかし、そうスバリと雨が降るかどうか、冷静に考え
 れば、「そう都合良くいくか」となるはず。
 数値予測というのは、そういう現実をきちんと理解した上で使う必要が
 ある。実は、数値予測に限らないことなのだが…。その理解がないと
 「数値は、馬草と無関係だ」とワープするしかなくなってしまう。
 (つづく)

2.エリザベス女王杯は、馬連レベルで当たり。これで、秋のGTのレース
 予想は、一応5戦4勝となった。しょぼい配当だったとはいえ、この組
 み合わせでないと、JRAは払い戻してくれないのだから、"しょぼい"
 は諦めるしかない。
 さて、マイルチャンピオンシップである。
 ダイワメジャーが順調なら、この馬が一番と誰もが思うのだろうが、そ
 れがどうも、具合がよくないようだ。「天皇賞では不利があった」とは
 いうが、同じように不利を受けたアグネスアークが2着、カンパニーが
 3着になっているのだから、"それのみ"とはいいがたいところもある。
 本来は主役であるべきダイワメジャーの"今季、乱調"で、"わかりにくい
 "レースになってしまった。
 過去10年の結果を見て、明らかと思われるのは、"マイルが得意"とい
 うことである。その"マイルが得意"をどう考えるかだが、得意というの
 だから、マイルで半分ぐらいの連がらみはあるという線引きをしてみる。
 アグネスアーク、エイシンドーバー、キングストレイル、ジョリーダン
 ス、ダイワメジャー、ピンクカメオ、(外)ベクラックス、マイネルシ
 ーガルといったところ。ローレルゲレイロも連対率5割を超えているが、
 1度もマイルで勝ったことはない。
 面白いと思うのは筆者だけかもしれないが、カンパニー、サクラメガワ
 ンダー、スズカフェニックス、スーパーホーネット、フサイチリシャー
 ルなど、グループとして見た場合、上記の馬たちよりは、人気になりそ
 う馬たちが、マイルでの連対率5割を確保していない。
 先の天気の話でいえば、「東北地方南部で雨が降る」というものではな
 く、「日本のどこかで雨が降る」と予報されているようなもの。
 「それじゃ、ますますオラが田圃はどうなる?」と考えるべきところな
 のだ。
 「GTでは、必ず1万円馬券を買う」と決め込むのではなく、「同じGT
 でも、これは当たりそうだから1万。このレースは"危なそうだから"五
 千円」と軽重をつけてよいはずである。
 それは、レースの難易度を読み、それに対応することになる。
 可能性の高いところで勝負にでるのは、「その率はどれぐらい?」が好
 きな競馬ファンにとっても、納得がいくところだろう。
 マイルチャンピオンシップは混戦。そんな文字が躍ることになるのだろ
 うが、混戦とはいえ、"ほど"というものがある。今回は"ほどなき"混戦
 にも見える。こういうときは、馬連でも十分な配当になる可能性は高く、
 「3連単で百万を夢見る場合ではなかった。馬連なら万馬券が当たった
 のに…」ということにならないように。


 (トータライザー社の唯一の公式サイト/ホームページです。
  トータライザー社では、これ以外にウェーブ・サイトは運営しており
  ません。このホームページの文章は、柏木次郎が担当しております。
  なお、"セオリー・ホルダー"、"レース予想"という名称がときどき文
  中にでてきますが、これはメール版"ニュー・トータ"のコラムです。
  駅売りのトータライザー紙には掲載しておりません)



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